最近、友人に「あの機械すごくいいよ!」と勧められたのが「ハイフ」と呼ばれるものでした。友人はその効果に心を動かされていたようですが、私自身は過去に火傷の経験があり、ハイフにあまり良い印象を持っていません。ここで、ハイフとは何か、その危険性、そして最近の事例について詳しく見ていきたいと思います。
ハイフとは何か?
ハイフとは「高密度焦点式超音波」の略であり、高密度の超音波を利用して、肌を傷つけることなく体の特定部位を加熱する技術です。この技術は元々医療分野で使用されており、特に前立腺肥大や子宮筋腫の治療に用いられていましたが、近年ではその原理を応用して脂肪細胞を効果的に除去するための施術としてエステ機器でも広がっています。
ただし、ハイフには潜在的な危険性があるため注意が必要です。レントゲンやMRIのように、無害な医療技術かと思いがちですが、施術を行う環境や資格によってその安全性は大きく異なる可能性があります。
ハイフ施術の危険性
実際のところ、ハイフは医療行為に分類されるため、本来は医師のみが施術を行うことが認められています。しかし、国民生活センターによれば、医師以外による施術は違法とされ、危険を伴います。施術を受ける際、もしくは施術を考えている方は、「医師以外からの施術は絶対に受けないでください!」という警告を常に心に留めておくべきです。
最近の調査によると、エステサロンでのハイフ施術による火傷や神経損傷の事例が増加しています。2017年2月までには約30件の事故が報告され、その中の約20件が実際のやけどや、深刻な傷を負っているという実態が明らかになりました。このような事故は、施術者の知識や経験不足が主な原因となることが多く、専門家による正しい判断がなされていないことが問題視されています。
ニュースで取り上げられる事例
今年特に注目を集めた案件では、顔の左半分がやけどで腫れ、水ぶくれができ、病院で治療を受けた結果、傷が残ってしまったという痛ましい報告もあります。この事件は多くのメディアに取り上げられ、エステサロンがハイフ施術を一時的に停止せざるを得ない事態に至りました。こうしたニュースは消費者に強い影響を与え、エステ業界全体の信頼性を揺るがすことにもつながっています。
エステ業界でも取り締まりが厳しくなってきており、特に中古のハイフ機器の増加が目立っています。これらの機器は、適切なデータや検証がなされないまま安く入手されることが多く、安全性が確保されていない不安要素が存在します。このような状況を鑑みると、消費者はより一層注意を払う必要があります。
安全なハイフの使用
医療現場でのハイフ施術は依然として効果が高く、がん細胞を焼却する能力や脂肪細胞を効率的に除去できる点から、特定の患者にとっては大変重要な治療法となっています。しかし、エステサロンで行われる非医療型の施術は、リスクが非常に高いため、慎重に判断することが求められます。
呼び方に注意!
最近では、ハイフや高密度超音波に対するネガティブなイメージが広がった影響から、エステサロンでは別の名称を用いる動きが増加しています。例えば「痩身機器」とだけ宣伝したり、「光超音波」と称して宣伝するケースが多く見受けられます。このような名称変更により、消費者が危険性を軽視し、施術を受ける可能性が高まることが懸念されます。
私の友人も「超音波を使ったエステ機器」と勧められ、施術を受けてしまったことがありますが、実際には「キャビテーション」と呼ばれる別の機器でした。また、「ハイパーナイフ」という名でも販売されている機器は、ハイフとは異なる技術です。名前が変わるだけで効果や安全性が変わるわけではないため、呼び名に惑わされず、十分な情報収集が必要です。
まとめ
ハイフは火傷や重大な健康被害のリスクを伴う技術であり、その名称や呼び方が変わっても、安全性が保証されるものではありません。新しい機器を勧められた際には、その機器の正式な名称を確認し、各自で情報を調べることが非常に重要です。
もしメーカーのウェブサイトや資料に「高密度超音波」や「高密度焦点式超音波」といった用語が見られた場合は、その使用法やリスクについて十分に考慮し、施術の受け方を再検討することを強くおすすめします。自分の安全を第一に考えることが、何よりも大切です。自分を守るために必要なのは情報を適切に扱い、自己責任の意識を常に持つことだと言えます。安全な環境で施術を受けるためには、医療機関を利用することが最も信頼できる方法と言えるでしょう。