インディバ

炭酸飲料を冷凍庫で凍らせるとどうなる?破裂事故の危険性と対処法

キンキンに冷えた炭酸飲料、特にビールは夏の暑さには最高の気分転換になります。 喉を潤し、爽快感を与えてくれるその魅力は、暑い日差しの中での至福のひとときを演出してくれます。しかし、その手軽さゆえに、ついつい冷凍庫に入れてしまう人も少なくないのではないでしょうか? しかし、冷やしすぎると、想像を超える危険が潜んでいることをご存知でしょうか? この記事では、炭酸飲料を冷凍庫で冷やすことの危険性、その科学的な理由、そして安全に冷やす方法、さらに、万が一冷凍してしまった場合の対処法について、詳細な情報と具体的な手順を交えて解説します。 美味しい炭酸飲料を安全に楽しむための知識を身につけ、夏の暑さを賢く乗り切りましょう。

炭酸飲料を冷凍庫で凍らせるとどうなる?破裂する危険がある理由とは

多くの人が経験済みかもしれませんし、SNS上でも度々話題になるケースですが、炭酸飲料を冷凍庫で凍らせてしまうと、破裂して中身が飛び散る、最悪の場合冷凍庫が故障したり、周囲に被害を及ぼしたりするといった危険性があります。 Twitter、Instagram、Facebookなど、様々なSNSで、缶ビールやペットボトル、ビン入りの炭酸飲料が爆発した事例が報告されており、その衝撃的な画像や動画は、多くの人々に警鐘を鳴らしています。

特に、ノンアルコールビールはアルコール度数が低い分、凍りやすく、かつ、内部の炭酸ガス圧力が比較的高い状態を保ちやすいことから、破裂しやすい傾向にあります。 また、瓶入りの炭酸飲料は、ガラスという脆い素材であるため、内部圧力の上昇によって容易に破損します。 ペットボトルの場合も、材質によっては亀裂が入ることがあり、鋭利な破片となり、怪我をする危険性も高まります。 さらに、冷凍庫内で破裂した際に飛び散った液体が、冷凍庫内の他の食品を汚染する可能性も無視できません。

炭酸飲料を凍らせると破裂(爆発)するのはなぜ?科学的なメカニズムを解説

炭酸飲料が冷凍庫で破裂する原因は、水の体積変化と炭酸ガスの挙動、そして過冷却現象という3つの要因が複雑に絡み合っています。

1. 水の体積変化: 水は、氷になると体積が約9%増加します。これは、水の分子構造が固体になると、比較的大きな空間構造をとるためです。この膨張によって容器内部の圧力が高まり、容器の耐圧限界を超えると破裂します。これは炭酸飲料に限らず、水を凍らせた場合にも起こりうる現象であり、基本的な物理法則に基づいたものです。 特に、缶やペットボトル、ビンといった比較的剛性の低い容器の場合、この圧力変化に耐えきれず、破損に至りやすくなります。

2. 炭酸ガス(二酸化炭素)の体積変化: 炭酸飲料には、高圧下で二酸化炭素が溶け込んでいます。温度が下がるにつれて、二酸化炭素の溶解度は上昇します。しかし、一定量を超えると、溶けきれなくなった二酸化炭素は気化し始め、体積が増大します。 この気化による圧力上昇は、水の体積増加による圧力上昇と相乗効果を生み出し、容器への負担を大きく増加させます。 特に、急速に冷却された場合、この気化現象がより顕著になります。

3. 過冷却現象: 炭酸飲料をゆっくりと冷やすと、「過冷却」状態になる場合があります。過冷却とは、本来凍るべき温度以下になっても液体状態を保っている状態です。この状態は非常に不安定であり、ちょっとした衝撃(例えば、冷凍庫内の振動など)や、容器への接触などによって一気に凍結し、急激な体積増加によって破裂する危険性が高まります。 この過冷却現象は、炭酸飲料に限らず、様々な液体が示す現象ですが、炭酸飲料の場合、内部の圧力と相まって危険性が増大します。

うっかり冷凍してしまった炭酸飲料の対処法!安全に解凍する方法

うっかり冷凍庫に入れてしまった炭酸飲料を発見した場合、慌てず、以下の手順に従って対処しましょう。凍った炭酸飲料は非常に危険で、開けた際に中身が噴き出す、または容器が破裂する可能性があります。 決して、無理に開けようとしないことが重要です。

1. すぐに冷凍庫から取り出す: 凍った炭酸飲料を速やかに冷凍庫から取り出します。この際、容器を落としたり、衝撃を与えないように細心の注意を払いましょう。
2. 自然解凍を促す: 凍った炭酸飲料を、タオルなどで包み、常温でゆっくりと解凍します。 直射日光の当たる場所や、暖房器具の近くは避けましょう。 急激な温度変化は、容器に大きな負担をかけるため、避けるべきです。
3. 冷蔵庫での解凍: より安全な方法は、タオルで包んだ炭酸飲料を冷蔵庫内で解凍することです。 冷蔵庫内であれば、温度変化が穏やかで、容器への負担を最小限に抑えることができます。
4. 状態の確認: 解凍後、容器に膨張や亀裂がないか、慎重に確認しましょう。 少しでも異常が見られる場合は、絶対に開けずに処分してください。
5. 絶対に熱を加えない: 熱を加えて解凍しようとすると、容器が変形し、爆発する危険性があります。 どんな状況でも、熱を加えることは避けてください。

安全に炭酸飲料を冷やす方法とは?フローズンアイスの作り方も紹介

キンキンに冷えた炭酸飲料を安全に楽しむためには、冷凍庫ではなく、適切な方法で冷やすことが不可欠です。 以下に、安全で効果的な冷却方法を紹介します。

冷凍庫に入れない!素早く冷やす方法

冷蔵庫で冷やす: 最も安全で確実な方法は、冷蔵庫で冷やすことです。時間はかかりますが、破裂の危険性がなく、安心して冷やすことができます。
濡れたキッチンペーパーで冷やす: 炭酸飲料の容器に濡れたキッチンペーパーを巻き付け、冷蔵庫に入れると、気化熱を利用して効率よく冷やすことができます。 キッチンペーパーは、定期的に濡らし直しましょう。
氷と塩を使う: ボウルに氷と塩(塩は氷の約10%程度の割合)を入れ、その中に炭酸飲料を浸けると、凝固点降下により氷点下まで温度を下げることができ、より早く冷やすことができます。 この方法では、短時間で効率的に冷却できますが、塩分が付着しないように注意しましょう。
冷却スプレーを使用する: 市販の冷却スプレーを使用することもできます。短時間で冷却できますが、容器への影響がないか、事前に確認することが重要です。

安全に炭酸飲料を凍らせる方法(フローズンアイス)

ペットボトル入りの炭酸飲料を凍らせてシャーベット状にする「フローズンアイス」を作ることもできますが、破裂のリスクを完全に排除することはできません。 必ず、自己責任で、十分な注意を払って作成してください。

1. 小さなペットボトルを使用する: 大きなペットボトルよりも、小さなペットボトルの方が、凍結による圧力上昇の影響を受けにくいです。
2. 少し空けて冷凍する: ペットボトルの蓋を少し緩めてから冷凍すると、凍結による膨張による圧力上昇を防ぐことができます。
3. こまめなチェック: 30分~1時間おきにペットボトルの状態を確認し、膨張が著しい場合は、すぐに冷凍庫から取り出します。
4. 部分凍結を心がける: 完全に凍らせるのではなく、シャーベット状になる程度に凍らせるのが理想です。

まとめ

炭酸飲料を冷凍庫で冷やすことは、破裂の危険性があるため、非常に危険な行為です。 キンキンに冷えた炭酸飲料を安全に楽しむためには、冷蔵庫で冷やす、濡れたキッチンペーパーで冷やす、氷と塩を使うなど、冷凍庫を使わない冷却方法を選択することが重要です。 フローズンアイスを作る際も、自己責任で、時間管理を徹底し、安全第一で作業を行いましょう。 安全を第一に考え、美味しく、そして安全に炭酸飲料を楽しみましょう。

こちらもチェック!!

-インディバ